Ⅰ.事業方針

 農業・農村をめぐる情勢は、基幹的農業従事者の高齢化の進展、担い手不足が続き、耕作放棄地の増加等が顕著になる中で、新規参入の促進を含めた担い手の育成・確保、農地の利用集積・集約化の推進が喫緊の課題となっている。
 一方、令和元年12月に発行された、TTP11、日EU・EPA、令和2年1月1日に発行された日米貿易協定などによるグロ-バル化の深化が農業・農村に与える影響は必至であり、予断を許さない状況である。また、近年、台風、集中豪雨の激甚化やCSF(豚熱)の発生等、我が国農業・農村は多くの課題に直面している。
 本県でも、CSFが令和2年1月8日、うるま市で1986年以来の感染が確認され沖縄市へ感染拡大した。これまで1万2,000頭(令和2年2月27日現在)が殺処分と埋却されている。県は終息に向けたワクチン接種を表明し国や関係機関の連携による防疫措置に取り組んでいるところである。
 こうした情勢を踏まえ、国は、農業生産基盤の強化を図るため、令和元年12月に「農業生産基盤強化プログラム」を策定し、令和2年3月には向こう10年の日本の食料・農業・農村の方向付けを明らかにした「基本計画」を策定し、今後、官民挙げてその具体化に取り組むこととしている。
 農業委員会組織については、令和3年には改正農業委員会法施行後5年を迎えるため、改正法の実施状況と農業委員会に関する制度について、検討・見直しが想定される。このため、農業委員会組織はその動向に的確な対応を行う必要がある。また、農地中間機構法の改正により、農業委員会は農地所有者の意向把握や人・農地プラン等地域の話し合いに農業委員・農地利用最適化推進委員が参加し、「人・農地プランの実質化」を積極的に推進することなど農地中間管理機構を活用した利用調整活動の強化が求められている。
 本県においても、令和2年度が新制度に移行して2回目の選任となり、9月には、南城市、沖縄市、うるま市、八重瀬町を除く、県下33市町村農業委員会が改選期を迎え、農地法をはじめとする農地制度の公正・公平な運用と重点化された「農地利用の最適化」の取り組みのさらなる強化と併せて、令和元年10月の農業委員会業務に関する不祥事案件が発生したことによる、組織内における綱紀の粛正と対外的な信用回復に取り組むことが重要である。
 加えて、新型コロナウィルス感染症拡大は新たな脅威となり、分野を問わず 経済活動への大きな影響を及ぼしており、今後の農業委員会の現場活動におい ても、引き続き、「新しい生活様式」を徹底した持続的な予防対策への対応が求 められる。
 これらのことを踏まえ、農業委員会ネットワーク機構は、農業委員会の果たす役割、機能が十分発揮されるよう、ネットワーク業務に関する規程に基づき、適性かつ着実な業務遂行を実現するため、次の諸支援対策に取り組む。

 

Ⅱ.農業委員会ネットワーク業務の実施

1.農業委員会相互の連絡調整及び農業委員会に対する支援業務
 農業委員、農地利用最適化推進委員及び職員に対する講習及び研修会を開催する。

2.農地に関する情報の収集、整理及び提供業務
 農地情報公開システムを活用し、農地に関する情報を整理し、整理した情報を関係行政機関等、農地中間管理機構その他農林水産省令で定める者に提供する。

3.農業経営を営み、営もうとする者に対する支援業務
 新規参入者又は新規参入予定する者が円滑に農業参入できるよう関係農業委員会との連絡調整を行う。

4.法人化の支援その他農業経営の合理化支援業務
 法人化推進のための研修会及び現地指導及び農業者年金制度の理解促進、 普及推進のための研修会を開催する。

5.認定農業者等農業の担い手の組織化及び組織の運営支援業務
 認定農業者や農業経営者の組織化を支援し、各経営者組織への運営支援を行う。

6.農業一般に関する調査及び情報の提供業務
 農地価格や農作業料金などの基礎的な調査を行い、農業者及び農業委員会、 農地中間管理機構等の関係機関、農業者一般に関する農業者等への情報提供活動を行う。

7.農地法等その他の法令の規定により機構が行うとされた業務
 農地等の転用許可に係る農業委員会からの意見聴取について、農業委員会及び県担当部局と密接な連携により適正かつ円滑に処理する。

8.関係行政機関等に対する意見の提出
 農地等の利用最適化の推進に関する施策の改善について、農業委員会等の意見を集約し農業・農村の問題を幅広く汲み上げ、関係行政機関等に意見を提出する。

 

Ⅲ.事業内容

1.農地利用の最適化の推進に向けた支援の強化と農地情報公開システムの活用促進への支援

  (1)機構集積支援事業

2.農地利用の最適化の推進に向けた組織・活動の整備・強化

  (1)組織体制強化対策

3.農政対策及び調査活動

(1) 沖縄県農業委員会ネットワーク機構として、組織機能と役割を十分果た せるよう意見の提出や要請活動等を行う。
(2) 集落座談会及び「農業者等との意見交換会」や農業委員会の日常的な活 動等を通じた農業者からの意見集約に努め要請活動を行う。
(3) 「農業者等との意見交換会」の定着に向けた農業委員会への支援
(4) 食農教育の推進と食の安全・安心の確保対策への対応
(5) さとうきび等農畜産物の生産・経営安定対策への対応
(6) TPP(環太平洋連携協定)、WTO・FTA・EPA農業交渉への対応
(7) 農業金融及び農業関連税制改正対策ならびに農林・農業委員会関係予算確保対策への対応
(8) 農業委員会法第43条第1項第6号に基づき、構造政策推進の基礎資料として「田畑売買価格に関する調査」「農業労賃、農作業料金に関する調査」 の調査を実施する。

4.担い手・経営対策、新規就農・人材対策の推進

(1) 農の雇用事業
(2) シニア世代の新規就農に向けた研修支援事業(令和元年度補正)
(3) 新規就農一貫支援事業
(4) 農業者年金事業
(5) 沖縄県経営構造対策推進事業
(6) 担い手経営力向上支援事業

5.情報事業の推進

  (1)情報提供推進事業

 

Ⅳ.その他農業委員会ネットワーク業務の実施に関し必要な事項

1.他の農業委員会ネットワーク機構との連携
 他の農業委員会ネットワーク機構と密接に連携することを通じて、農業委員会ネットワーク業務の適正かつ効率的な推進を図る。

2.関係機関・団体等との連携
 沖縄県農地中間管理機構など関係機関・団体との密接な連携・協力の下、農業委員会ネットワーク業務の円滑な推進を図る。

 

令和2年度事業計画(PDF:173KB)