Ⅰ.事業方針
我が国の食料・農業・農村は、担い手の減少・高齢化、遊休農地の増加といった構造的な課題に加え、飼料、肥料、生産資材等の高止まり、世界的な食料生産の不安定化や人口増加に伴う食料需要の拡大、輸入競争の激化など、様々な課題に直面している。農林水産省は、令和12年に国内の農業経営体は半減し(令和2年比)、全農地の35%にあたる92万haの農地が耕作されなくなると試算しており、農地の維持確保と担い手の育成・確保は喫緊の課題である。
こうした情勢を踏まえ、国は、昨年3月末を期限として取組が進められてきた地域計画について、農地の利用調整など農村現場において重要な役割を担っている農業委員会が、策定主体である市町村と協力し、地域計画のブラッシュアップに向けた取組を推進しているところである。具体的には、①協議の場への参画 ②意向把握 ③目標地図の素案作成等の役割等を担いながら、農地の集約化に向けた土地利用調整を行い、農地中間管理機構への利用権の設定等を促進することが求められている。
また、農業委員会組織としては、新たな課題への対応が求められており、所有者不明農地、不在村地主等への対応は地域計画の達成のみならず、今後の農地の適正かつ有効利用に多大な影響を与えることが確実である。これらの課題に対して、適切な対応方法を検討するとともに、取組を一層強化して行く必要がある。
本県では、昨年度から措置された「所有者不明農地対策事業」により司法書士等の専門家を活用しつつ、関係機関と連携し、支援地域の所有者不明農地の解消に取り組んでいる。さらに、宮古島市農業委員会及び石垣市農業委員会が先進的に実施している、都市部在住の農地所有者を対象とした「不在村地主相談会」の取組事例を蓄積し、横展開を図ることが重要である。
加えて、農地情報の適正管理と公表に活用される農業委員会サポートシステムは、農地の効率的な利用と人の確保・育成を支える「農地と人」情報の重要なデータベースである。その情報の最新化は地域計画の実行と農地利用の最適化を推進するうえで不可欠である。
これらの状況を踏まえ、沖縄県農業委員会ネットワーク機構では、県、農地中間管理機構等の関係機関と連携を図りつつ、農業委員会への巡回活動等を通じて現場の課題解決を図るよう取り組む。また、農業委員会の役割と機能が十分に発揮されるよう、農業委員会ネットワーク業務に関する規程に基づき、適正かつ着実な業務遂行を実現するため、次の諸支援対策に取り組む。
Ⅱ.農業委員会ネットワーク業務の実施
1.農業委員会相互の連絡調整及び農業委員会に対する支援業務
農業委員、農地利用最適化推進委員及び職員に対する講習及び研修会を開催する。
2.農地に関する情報の収集、整理及び提供業務
農業委員会サポートシステムを活用し、農地に関する情報を整理し、整理した情報を関係行政機関等、農地中間管理機構その他農林水産省令で定める者に提供する。
3.農業経営を営み、営もうとする者に対する支援業務
新規参入者又は新規参入予定する者が円滑に農業参入できるよう関係農業委員会との連絡調整を行う。
4.法人化の支援その他農業経営の合理化支援業務
法人化推進のための研修会及び現地指導及び農業者年金制度の理解促進、 普及推進のための研修会を開催する。
5.認定農業者等農業の担い手の組織化及び組織の運営支援業務
認定農業者や農業経営者の組織化を支援し、各経営者組織への運営支援を行う。
6.農業一般に関する調査及び情報の提供業務
農地価格や農作業料金などの基礎的な調査を行い、農業者及び農業委員会、 農地中間管理機構等の関係機関、農業者一般に関する農業者等への情報提供活動を行う。
7.農地法等その他の法令の規定により機構が行うとされた業務
農地等の転用許可に係る農業委員会からの意見聴取について、農業委員会及び県担当部局と密接な連携により適正かつ円滑に処理する。
8.関係行政機関等に対する意見の提出
農地等の利用最適化の推進に関する施策の改善について、農業委員会等の意見を集約し農業・農村の問題を幅広く汲み上げ、関係行政機関等に意見を提出する。
※1~7は農業委員会等に関する法律第43条、8は同法第53条関係
Ⅲ.事業内容
1.地域計画の実行と農地利用の最適化の推進
(1)機構集積支援事業
(2)所有者不明農地対策事業
2.組織・活動体制の整備・強化
(1)組織体制対策
3.農政対策及び調査活動
(1)沖縄県農業委員会ネットワーク機構として、組織機能と役割を十分果たせるよう意見の提出や要請活動等の実施
(2)集落座談会及び「農業者等との意見交換会」や農業委員会の日常的な活動等を通じた農業者からの意見集約による要請活動の実施
(3)「農業者等との意見交換会」の定着に向けた農業委員会への支援
(4)食農教育の推進と食の安全・安心の確保対策への対応
(5)さとうきび等農畜産物の生産・経営安定対策への対応
(6)農業金融及び農業関連税制改正対策ならびに農林・農業委員会関係予算確 保対策への対応
(7)構造政策推進の基礎資料として「田畑売買価格に関する調査」「農業労賃、農作業料金に関する調査」の調査を実施
4.担い手・経営対策、新規就農・人材対策の推進
(1)雇用就農資金
(2)農業者年金事業
(3)沖縄県経営構造対策推進事業
(4)日本農業技術検定事業
5.情報事業の推進
(1)情報提供推進事業
Ⅳ.その他農業委員会ネットワーク業務の実施に関し必要な事項
1.他の農業委員会ネットワーク機構との連携
他の農業委員会ネットワーク機構と密接に連携することを通じて、農業委員会ネットワーク業務の適正かつ効率的な推進を図る。
2.関係機関・団体等との連携
沖縄県農地中間管理機構など関係機関・団体との密接な連携・協力の下、農業委員会ネットワーク業務の円滑な推進を図る。