Ⅰ.事業方針

 我が国の食料・農業は、世界的な気候変動による食料生産の不安定化や人口増加に伴う食料需要の拡大に加え、食料の武器化など食料安全保障が転換期を迎えており、このため、食料の安定供給の確保など食料安全保障の強化を基軸とする食料・農業・農村基本法(以下、基本法)が四半世紀ぶりに改正された。

 国では、基本法の改正を踏まえて、食料・農業・農村基本計画が定められ、新たな食料自給率とその他の食料安全保障の確保に関する事項の目標とKPIの実現に向け持続可能な農業の確立のため、令和7年度からの5年間を「農業構造転換集中対策期間」として農業政策の再構築が予定されている。

 改正基本法と関連する法制度として、4月1日から施行される改正農振法、改正農地法、改正基盤法では、改正の目的である農地の「総量確保」と「適正利用」に繋がる取組が重要であり、とりわけ、農地の適正利用に向けては、農地の権利取得の許可要件として新たに追加された「配置の状況」と「農業関連法令の遵守状況」の確認を通じて、不適切な権利取得の防止に努める必要がある。

 農業委員会組織については、地域計画の実行(実現とブラッシュアップ(完成度を高める))という新たな課題に農業委員会組織が的確に対応していくため、農業委員会組織の構成・体制の強化に加え、地方自治体との役割分担と連携強化することが求めれる。具体的には、地域計画に位置付けられた「農業を担う者」に農地が円滑に権利移動されるよう地権者への働きかけや利用調整を進めるとともに、権利移動に際しては、農地バンクを通じた農用地利用集積等促進計画の活用に向けて取り組む。

 また、農地情報の適正管理と公表に利用する農業委員会サポートシステムは、農地の効率的な利用と人の確保・育成を支える「農地と人」情報の重要なデータベースであるため、そのデータの更新・最新化及び活用に取り組む。

 さらに、令和5年の相続土地国庫帰属制度の創設、令和6年の相続登記の申請義務化等、所有者不明土地の利活用や未然防止に向けた制度が整備されつつあるが、農地については不在村地主の増加もあり、依然として所有者不明農地が深刻な問題となっているため、本年度から措置された「所有者不明農地対策事業」により関係機関と連携して所有者不明農地の解消に繋げ、取組事例の蓄積と横展開に取り組む。

 これらのことを踏まえ、沖縄県農業委員会ネットワーク機構では、県、農地バンク等の関係機関と連携を図りながら、農業委員会の巡回活動等で現場に応じた課題解決を図るよう取り組み、農業委員会の果たす役割、機能が十分発揮されるよう、農業委員会ネットワーク業務に関する規程に基づき、適正かつ着実な業務遂行を実現するため、次の諸支援対策に取り組む。

 

Ⅱ.農業委員会ネットワーク業務の実施

1.農業委員会相互の連絡調整及び農業委員会に対する支援業務
 農業委員、農地利用最適化推進委員及び職員に対する講習及び研修会を開催する。

2.農地に関する情報の収集、整理及び提供業務
 農業委員会サポートシステムを活用し、農地に関する情報を整理し、整理した情報を関係行政機関等、農地中間管理機構その他農林水産省令で定める者に提供する。

3.農業経営を営み、営もうとする者に対する支援業務
 新規参入者又は新規参入予定する者が円滑に農業参入できるよう関係農業委員会との連絡調整を行う。

4.法人化の支援その他農業経営の合理化支援業務
 法人化推進のための研修会及び現地指導及び農業者年金制度の理解促進、 普及推進のための研修会を開催する。

5.認定農業者等農業の担い手の組織化及び組織の運営支援業務
 認定農業者や農業経営者の組織化を支援し、各経営者組織への運営支援を行う。

6.農業一般に関する調査及び情報の提供業務
 農地価格や農作業料金などの基礎的な調査を行い、農業者及び農業委員会、 農地中間管理機構等の関係機関、農業者一般に関する農業者等への情報提供活動を行う。

7.農地法等その他の法令の規定により機構が行うとされた業務
 農地等の転用許可に係る農業委員会からの意見聴取について、農業委員会及び県担当部局と密接な連携により適正かつ円滑に処理する。

8.関係行政機関等に対する意見の提出
 農地等の利用最適化の推進に関する施策の改善について、農業委員会等の意見を集約し農業・農村の問題を幅広く汲み上げ、関係行政機関等に意見を提出する。

 

Ⅲ.事業内容

1.農地利用最適化の一層の推進と農業委員会サポートシステムの活用促進

  (1)機構集積支援事業

(2)所有者不明農地対策事業【新規】

2.農地利用の最適化の推進に向けた組織体制の整備及び活動の強化

  (1)組織体制対策

3.農政対策及び調査活動

(1)沖縄県農業委員会ネットワーク機構として、組織機能と役割を十分果たせるよう意見の提出や要請活動等の実施
(2)集落座談会及び「農業者等との意見交換会」や農業委員会の日常的な活動等を通じた農業者からの意見集約による要請活動の実施
(3)「農業者等との意見交換会」の定着に向けた農業委員会への支援
(4)食農教育の推進と食の安全・安心の確保対策への対応
(5)さとうきび等農畜産物の生産・経営安定対策への対応
(6)TPP(環太平洋連携協定)、WTO・FTA・EPA農業交渉への対応
(7)農業金融及び農業関連税制改正対策ならびに農林・農業委員会関係予算確 保対策への対応
(8)農業委員会法第43条第1項第6号に基づき、構造政策推進の基礎資料として「田畑売買価格に関する調査」「農業労賃、農作業料金に関する調査」の調査を実施

4.担い手・経営対策、新規就農・人材対策の推進

(1)雇用就農資金
(2)農業者年金事業
(3)沖縄県経営構造対策推進事業
(4)日本農業技術検定事業

5.情報事業の推進

  (1)情報提供推進事業

 

Ⅳ.その他農業委員会ネットワーク業務の実施に関し必要な事項

1.他の農業委員会ネットワーク機構との連携
 他の農業委員会ネットワーク機構と密接に連携することを通じて、農業委員会ネットワーク業務の適正かつ効率的な推進を図る。

2.関係機関・団体等との連携
 沖縄県農地中間管理機構など関係機関・団体との密接な連携・協力の下、農業委員会ネットワーク業務の円滑な推進を図る。

 

令和7年度 事業計画書(PDF:161KB)

令和7年度 収支予算書(PDF:96KB)